内科

内科についてAbout

院長は日本内科学会が認定した総合内科専門医です。
そのため風邪や腹痛といった一般的な内科疾患の診療も他の内科医と同じように得意としています。なかでも脳卒中の治療・予防としての生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病といった病気)の管理には、特に力を入れております。
その他、骨粗しょう症や睡眠時無呼吸症候群、膠原病といったさまざまな疾患にも対応してまいりますので、お気軽にご相談ください。専門医の診療が必要と判断した場合は、近隣の総合病院(長野赤十字病院、長野市民病院、長野中央病院、信州医療センターなど)へ患者さんのご希望も伺いながらご紹介させていただきます。

生活習慣病についてlifestyle disease

高血圧

高血圧は放置すると脳卒中、心筋梗塞、慢性腎臓病の原因に

どうして高血圧をほうっておいてはいけないのでしょう。それは高血圧によってさまざまな合併症がおきるからです。特に怖いのが、脳卒中、心筋梗塞、慢性腎臓病です。
脳卒中について言うならば、中年期に軽度な高血圧があると3倍、中等度以上の高血圧があると7倍もなりやすいのです。そのため若いうちから(年齢を重ねたら一層のこと)、血圧に注意して上げないようにしましょう。

どこからが高血圧?

正常な血圧はいくつでしょう(昔は収縮期160mmHg以上といわれましたが今は違います)。
自宅で血圧を測った場合、上(収縮期)が135mmHg、下(拡張期)が85mmHg以上はすでに高血圧なのです。昔にくらべて高血圧の基準が厳しくなっています。
これはより合併症がおこらない血圧を毎年毎年しらべていくと、やっぱり低ければ低いほど合併症が少ないことが分かってきたからです。血圧が高いことに気づいたら、ほうっておかない。収縮期血圧を10、拡張期血圧を5mmHg下げると、脳卒中になる可能性は30~40%も下がります。

血圧を下げるには?

それでは血圧はどのように下げればいいのでしょう。軽い高血圧の方(収縮期が150mmHgぐらいまで)は次の6つのことを実行してみましょう。

  1. 塩分制限。おおまかに今の食塩摂取量を半分にする(ように努力する)。
  2. 野菜や果物を積極的にとる。肉の脂身、卵の黄身、洋菓子などを避ける。
  3. 体重の管理。BMI:体重kg÷(身長m)2を25未満にする。
  4. 運動。20分程度の軽い運動(ウォーキング・ジョギングなど)を週3回。
  5. 節酒。1日にワインなら2杯、ビールなら500ml、日本酒なら1合まで。
  6. 禁煙。

この6つを3ヵ月間頑張っても血圧が高い方、頑張ることに挫折した方、頑張る気力がない方、そもそも血圧が150mmHg以上ある方は、重い腰を上げて医療機関を訪ねてください。

高血圧は放置しないことが何より大切です

高血圧は、絶対に絶対にほうっておかない。いま薬を飲むのを嫌がっているひとは、将来もっとたくさんの病気の薬を飲まなくてはならなくなります。
幸せな未来を夢見る方には、血圧を正常に保つことは何にもまして大切です。

糖尿病

糖尿病とは、血糖を正常に保つ(血糖を下げる)インスリンというホルモンの働きが弱まることで、高血糖が起きる状態をいいます。血糖が高いことで、あちこちの臓器で組織の障害が起きてきてしまいます(眼の網膜症、腎障害、末梢神経障害、脳卒中、心筋梗塞など)。

糖尿病には二つのタイプがあります。

  • Ⅰ型糖尿病
    遺伝的にインスリンを分泌する細胞が壊れやすく、インスリンが不足するタイプ
  • Ⅱ型糖尿病
    生活習慣が原因で、インスリンが不足したり、インスリンの働きが低下するタイプ

多くの糖尿病の方はⅡ型で、生活習慣や肥満が原因となっています。
診断は比較的簡単で、血液検査で血糖とHbA1C(最近の血糖の平均値の指標)を測るだけです。それほど時間もかかりません。
この両方が正常より高ければ糖尿病です。片方だけが高かった場合は、糖尿病の疑いとして再検査が必要です。糖尿病と診断されたら、血糖を正常に近づけることが必要となります。これは高血糖をほうっておくことにより臓器障害が起きることを防ぐためです。

糖尿病になっても、早期から血糖をコントロールしておけば、臓器障害を防ぐことができます。臓器障害が起きる前に、あるいは臓器障害が軽いうちに、血糖をしっかりコントロールしましょう。

脂質異常症

脂質異常症とは血液中の、① LDL-コレステロールが高い、② HDL-コレステロールが低い、③ 中性脂肪が高い、といった状態を指します。

そもそもコレステロールは、細胞膜やホルモンをつくる成分で身体になくてはならないものです。そして中性脂肪は、いざという時のためのエネルギー源として蓄えておくものです。いずれも生命を維持するために、必要なものです。しかしこれが多すぎると、血管に溜まって動脈硬化を起こしてくるのです。

LDLやHDLというのは、コレステロールや中性脂肪を運ぶカプセルのようなものです。

例えて言うならダブルシュークリームのシューがLDLやHDL、なかの生クリームが中性脂肪、カスタードクリームがコレステロールです。

脂質異常症のイメージ:シュークリーム

LDLというシューに入ったコレステロールは身体に運ばれて、細胞の構成成分として使われます。このコレステロールが多すぎると使われずに血管に溜まって動脈硬化を起こすため、LDLに入ったコレステロール(LDL-コレステロール)は悪玉コレステロールと呼ばれます。

HDLというシューは逆に身体から多すぎるコレステロールを引き抜いて肝臓に戻す働きで、血管からも余計なコレステロールを抜き出していってくれます。そのため、HDLに入ったコレステロール(HDL-コレステロール)は、善玉コレステロールと呼ばれます。このようにLDL-コレステロールが高いとき、HDL-コレステロールが低いときは動脈硬化が起こりやすくなってしまいます。

脂質異常症のイメージ

これに対して、まずはLDL-コレステロールを下げることが大切です。食事や運動ではあまりうまくいかないことも多いので、まずは薬(スタチンなど)を使って下げましょう。動脈硬化にならないようにまずは薬で正常化しながら、運動や食事療法に積極的に取り組みましょう。食事での注意点は、穀類は茶色いもの(玄米や全粒粉のパン)、肉類は白いもの(鶏肉や魚)、色とりどりの野菜、といったものを選びましょう。糖尿病や高血圧など他の生活習慣病がない人はLDL-コレステロールの値が140mg/dl以下を、他の生活習慣病があるひとは120mg/dl以下を、すでに狭心症など動脈硬化があったり喫煙をしているひとは100mg/dl以下を目指します。

HDL-コレステロールが低い場合、これを上げる良い薬はありません。脂質改善薬(イコサペント酸エチルなど)は使ってみてもよいでしょう。まずは食事・運動療法が大切です。

コレステロールに対して中性脂肪は少々厄介です。というのは血液中の中性脂肪は食事の影響をとても受けやすいため、昨晩何を食べたかでもずいぶん値が変わってしまいます。中性脂肪のみが少々高いだけなら、すぐに薬物療法を行わず食事と運動に取り組みましょう。